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E-ディフェンスを用いた耐火二層管の耐震試験について

今回、実大三次元振動破壊実験施設E-ディフェンスを用いた高層建物の振動台実験において、独立行政法人建築研究所と共同で、建築設備の耐震性評価を行いました。この振動台実験は、文部科学省からの委託研究「首都直下型地震防災・減災特別プロジェクト」の一環として、長周期地震動に対する高層建物の耐震安全性を検証することを目的に、独立行政法人防災科学技術研究所が主体となって行ったものです。

給排水立管としては、高層及び中層建物に多く用いられている単管式集合継手、ステンレス製給水管、耐火二層管が選定されました。耐火二層管協会として超高層通気管を想定し、立て管を125φとし横引きに100φを採用いたしました。また、単管式協会の集合継手(鋳鉄製)の横引きにはすべて耐火二層管の75φが採用されました。

実験概要

関連リンク

独立行政法人防災科学技術研究所 兵庫耐震工学研究センター公式サイトをご覧ください。

(【16】高層鋼構造建物(2008年3月))

1.実験主体

独立行政法人 防災科学技術研究所

2.実施日

平成20年3月17日(月)~21日(金)

3.場所

独立行政法人 防災科学技術研究所 兵庫耐震工学研究センター (兵庫県三木市志染町三津田西亀屋1501-1)

4.試験概要

躯体試験体は、高層建物の平均的な規模として地上21階、高さ80mの建物を想定しています。1階から4階までを実規模の鉄骨造架構とし、その上に5階から21階までの揺れを模擬するシステムを組み込みました。

東海地震において予測される首都圏での想定波、東海・東南海地震において予測される名古屋市での想定波等を入力され実験が行われました。

躯体試験体

5.実験結果

建物主要構造物である梁の端部に破断が発生したにもかかわらず、耐火二層管は、気密試験による漏れも無く、破損・変形等が無いことが確認されました。

試験日 加震試験概要 試験結果
3月18日 1)関東地震を想定した首都圏地震動(気象庁波)
  X方向-335ガル、Y方向-251ガル
想定層間変位1/200
2)設計に用いられてきた地震動(ELCentro)レベル2
  X方向-287ガル、Y方向-463ガル
異常なし
3月19日 東海地震を想定した首都圏地震動(東扇島波)
  X方向-190ガル、Y方向-138ガル
  想定層間変位1/100
異常なし
3月21日 東南海地震を想定した名古屋の地震動(三の丸波)
  X方向-155ガル、Y方向-186ガル
  想定層間変位1/66.7
異常なし
鋼構造部の梁溶接の破断確認あり、Y方向加震を2度実施加震条件は三の丸波
  Y方向-186ガル
異常なし
参考:気象庁震度階級関連解説表より一部抜粋
震度階級 鉄筋コンクリート造建物 加速度
cm/sec2 ガル
5弱 耐震性の低い建物では、壁などに亀裂が生じるものがある。 80~250
5強 耐震性の低い建物では、壁、梁、柱などに大きな亀裂が生じるものがある。耐震性の高い建物でも、壁などに亀裂が生じるものがある。
6弱 耐震性の低い建物では、壁、柱が破壊するものがある。耐震性の高い建物でも壁、梁、柱などに大きな亀裂が生じるものがある。 250~400
6強 耐震性の低い建物では、倒壊するものがある。耐震性の高い建物でも、壁や柱が破壊するものがかなりある。
7 耐震性の高い建物でも、傾いたり、大きく破壊するものがある。 400~

おわりに

耐火二層管協会では、本プロジェクトの積極的参加を実施し、耐火二層管の持つ耐震性能を検証してまいりました。今回の実験では (独)防災科学技術研究所・(独)建築研究所の関係各位の皆様方には多大なるご協力を賜りましたことを深く感謝申し上げます。

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